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奮起湖は海抜約1400 mで、西、東、北の三方を山に囲まれた「ちりとり」のような形のくぼ地です。台湾語では「ちりとり」を「畚箕(ぷんきー)」といいます。「盆地」は「湖の仔」という字を書いて「湖仔(おーあー)」と読みます。そこで、この盆地は、ちりとりの湖「畚箕湖(ぷんきーおー)」と名付けられ、のちに発音の似た現在の漢字に改められました。

その昔、奮起湖の人々は主に竹細工や木材の伐採、加工などの産業に従事していました。鉄道ができる前は、今の老老街一帯にあたる下脚店仔を中心に集落が形成されていました。その後、阿里山の森林資源が発見され、阿里山林業鉄路が建設されると、奮起湖はきわめて重要な中継駅となりました。駅の周辺には、木材の伐採や造林の仕事をする大勢の労働者や、鉄道員などが住み、商店や流通業者も集まって、にぎやかなまちになりました。集落も次第に鉄道周辺に移り、現在の奮起湖老街ができました。

しかし、1982年に「阿里山公路」という道路が開通すると、鉄道の利用は大幅に減り、奮起湖の観光は衰退しました。そこで、当時、「999プロジェクト」と銘打った高級空調車・阿里山号の導入や、中興号を「指定席直通快速」にレベルアップするなど、阿里山林業鉄路観光の再生と向上が進められました。また、近年では奮起湖車庫の修復や、福森号(Formosensis)と栩悦号(Vivid Express)の登場など、さまざまな取り組みにより、奮起湖は再び観光客でにぎわう、阿里山観光の人気スポットとなっています。